電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)
報告書データベース 詳細情報
報告書番号
GD22016
タイトル(和文)
配電線耐雷設計ガイド(2023年改訂版)
タイトル(英文)
Guide to Lightning Protection Design of Distribution Lines (rev. 2023)
概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)
背 景
一般送配電事業者における配電線の耐雷設計には,2002 年に取りまとめられた「配電線耐雷設計ガイド」[1]がこれまで広く利用されてきた。一方で,ガイド発刊以降も配電線耐雷設計に関する調査研究は精力的に進められ,落雷位置標定システム(LLS)データや配電線における雷観測結果を基にした雷被害様相の詳細分析や配電線雷事故率計算手法の精緻化,地域毎の配電線雷リスク評価の検討などが行われている。合理的な配電線耐雷設計の実現のため,これらの技術上の進歩を取り入れた耐雷設計の実用書が必要となっている。
目 的
配電線耐雷設計に関わる技術上の進歩を取り入れて,「配電線耐雷設計ガイド」の改訂を行う。
主な成果
雷リスク調査研究委員会 配電雷リスク分科会での審議により,配電線の設備実態や雷事故実態,雷害対策に関する最新の調査研究の動向を取り入れ,耐雷設計ガイドの改訂を行った。本ガイドの構成と主な内容は表1 に示すとおりであり,主要な改訂点は以下のとおりである。また,読者の利便性向上や技術継承の観点から,改訂点を中心に,本ガイドの重要なポイントをまとめた概要版を作成し巻頭に記載した。
1. 配電線耐雷設計の現状および雷被害の実態(2-5 章)
LLS データや配電線における雷観測結果,配電設備の実態調査等をもとに,配電線における雷被害の実態を示した。これによって,従来から言われていたとおり,我が国の配電線では誘導雷による雷被害は少なく,直撃雷が雷事故の主要因であることを示した。また,冬季雷発生地域においては,1落雷あたりの雷事故率が夏季の数倍程度大きくなるなど,配電線雷事故の地域性を示した。
2. 配電機器毎の雷被害メカニズムおよび効果的な雷害対策(6-10 章)
主要な配電機器毎に雷被害発生メカニズムや効果的な雷害対策手法を体系的に整理した。取りまとめにあたっては,絶縁電線や柱上変圧器,避雷器等の従来から記載されていた内容に加え,配電自動化機器を含めた開閉器等の近年増加している配電機器も対象とした。
3. 耐雷機材の効果の定量評価と雷害対策に関するコストダウン策(11,12 章)
改良された配電線雷事故率計算手法[2]により,耐雷機材の施設形態とその効果について定量的な評価を行うとともに,地域毎の配電線の雷事故を予測した結果を示した。また,近年の研究成果をもとに,雷害対策におけるコストダウン策について示した。
関連報告書:
[1] T69「配電線耐雷設計ガイド」(2002.02)
[2] H19001「高圧配電線雷事故率計算プログラムの改良(I)-直撃雷による事故率計算と計算結果の雷リスク評価への適用-」(2020.01)
概要 (英文)
The "Guide of Lightning Protection Design for Power Distribution Lines" (published in 2002) has been widely referred to as a basic reference for the lightning protection design of distribution lines by transmission and distribution operators. However, 21 years have passed since the last publication, and technical progress during this period has revealed regional characteristics of lightning outage of distribution lines. To reflect the latest findings, we have revised the above guide. The revised guide consists of 14 chapters and 6 appendices, and it describes the mechanism of lightning failure and effective countermeasures for each distribution equipment, such as insulated wire, pole-mounted transformer, etc. The revised guide also includes an overview of the lightning surge analysis method used to verify the effectiveness of these lightning protection measures, the results of lightning outage rate calculation based on the lightning surge analysis, and cost reduction measures of lightning protection design based on latest research.
報告書年度
2022
発行年月
2023/09
報告者
担当 | 氏名 | 所属 |
---|---|---|
主 |
雷リスク調査研究委員会 配電雷リスク分科会 |
雷リスク調査研究委員会 配電雷リスク分科会 |
共 |
石本 和之 |
グリッドイノベーション研究本部 ファシリティ技術研究部門 |
キーワード
和文 | 英文 |
---|---|
配電線 | Distribution lines |
耐雷設計 | Lightning protection design |
誘導雷 | Indirect lightning |
直撃雷 | Direct lightning |
逆流雷 | Back flow lightning |