電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)
報告書データベース 詳細情報
報告書番号
EX23001
タイトル(和文)
産業界の視点を反映した軽水炉燃料研究課題の分析 ‐燃料プラットフォーム フェーズ2の成果‐
タイトル(英文)
Examination of R&D topics for light water reactor fuel reflecting industrial viewpoints
概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)
背 景
原子力委員会が発行した「原子力利用の基本的考え方」(平成29年7月20日原子力委員会)において、電力会社および燃料製造事業者等の原子力関係事業者(事業者)と研究機関の連携・協働の推進が提言された。これを受けて、当所では軽水炉燃料の研究開発の分野において、科学的知見や知識の収集、体系化、共有による厚い知識基盤の構築を進めることを目的に、事業者と研究機関より構成される「燃料プラットフォーム」を設置した注 )。
燃料プラットフォームでは活動の範囲を、軽水炉燃料の設計と製造、燃料と被覆管の照射挙動、過渡時・事故時のふるまい、輸送と貯蔵、モデリングとシミュレーションを含む研究開発の分野とし、事業者および日本原子力研究開発機構等の研究機関から委員を選任した。2018~2019年度に実施されたフェーズ1では、軽水炉燃料に係る国内の研究開発状況、経産省・文科省による公募事業の状況、国際プロジェクトの活動状況と報告書、最近10年間の国際会議における発表論文の動向等について調査した。また、その結果を踏まえて抽出した研究開発課題について産業界の立場から重要度と緊急性を検討し、それぞれの優先度を評価した。
目 的
燃料プラットフォームのフェーズ2(2020~2022年度)で実施した、軽水炉燃料に係る研究開発課題の現状調査と、今後の着手が期待される研究開発項目の分析結果を整理し、公知化する。
主な成果
フェーズ1で抽出した軽水炉燃料に係る研究開発課題のうち、現行被覆管材の改良、ATF注 )被覆管等の開発、燃料ペレットの改良、事故時挙動の把握、ウラン濃縮度5%超燃料に向けた検討、高燃焼度化に向けた検討、燃料挙動モデル開発、乾式貯蔵時燃料健全性実証について、これらに関する国内外の技術開発状況を調査しとりまとめた。また、この結果を基に今後実施すべき研究開発項目を分析しまとめた(表1)。これらは、今後国内の研究開発機関が軽水炉の高度利用や革新炉開発等に向けた研究開発項目を効率的に選定していくための指針となる。
概要 (英文)
Japan Atomic Energy Commission emphasized the need for collaboration and cooperation between nuclear industry entities and research institutions. In response, CRIEPI established the "Fuel Platform" to foster collaboration and facilitate collecting, organization, and sharing of scientific knowledge in the field of light water reactor fuel research and development. The activities of the Fuel Platform encompass fuel design and manufacturing, irradiation behavior of fuel and cladding, transient and accident response, transportation and storage, as well as modeling and simulation. Commissioned members representing nuclear industry entities such as power companies and fuel manufacturing companies, as well as research institutions, conducted investigations, categorization of research and development issues, and exploration of solutions and necessary infrastructure and technology for each identified challenge. Prioritizing high-importance and time-sensitive topics from an industry standpoint, the platform compiled the current status of research and development domestically and internationally, along with future research and development areas to be pursued. Those results are summarized in this report. The broad dissemination of these outcomes aims to serve as guidelines for domestic research and development institutions in selecting their research objectives.
報告書年度
2023
発行年月
2023/12
報告者
担当 | 氏名 | 所属 |
---|---|---|
主 |
稲垣 健太 |
エネルギートランスフォーメーション研究本部 材料科学研究部門 |
共 |
中森 文博 |
エネルギートランスフォーメーション研究本部 材料科学研究部門 |
共 |
太田 宏一 |
エネルギートランスフォーメーション研究本部 プラントシステム研究部門 |
共 |
尾形 孝成 |
エネルギートランスフォーメーション研究本部 研究統括室 |
キーワード
和文 | 英文 |
---|---|
燃料プラットフォーム | Fuel platform |
被覆管 | Cladding |
燃料ペレット | Fuel pellet |
モデリング | Modeling |
高燃焼度 | High burnup |