電力中央研究所

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電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)

報告書データベース 詳細情報


報告書番号

EX22008

タイトル(和文)

パウダースケール付着ボイラ水冷壁管の温度評価手法の提案

タイトル(英文)

Proposal of Temperature Evaluation Method for Powdered Scale Deposited Boiler Water-Wall Tubes

概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)

【背  景】
 火力発電所ボイラでは運転時間経過と共に水冷壁管内面にスケールが付着する。スケールが厚くなると管の温度が上昇しクリープ損傷により噴破するため、管内面の化学洗浄が定期的に行われる。しかし化学洗浄は費用が高額なため、洗浄回数の低減が望まれている。
 化学洗浄実施の判断には管温度の監視が重要となるが、管に温度計が設置されていない箇所の評価のためにスケール厚さ、付着量による管理が行われる。硬質スケール(以下、HS)は比較的均一な厚さで付着するため、最大スケール厚さや付着量によって管理が行われているが、酸素処理ボイラにおいて生じるパウダースケール(以下、PS)は不均一な厚さの付着が見られている。しかし不均一な厚さでPSが付着した場合の管温度は明らかになっていない。
【目  的】
 不均一な厚さのPSが付着したボイラ水冷壁管の温度評価手法を提案する。
【主な成果】
1. PSが付着した長さが管の外表面温度(管頂部温度)に及ぼす影響
 PS付着管を対象に、熱流束、管内流体温度、PSの管長手方向長さ(以下、長さ)および厚さをパラメータとして伝熱解析を行い、以下の特性を明らかにした。
(1) PS長さが80 mm未満の場合、管頂部温度は長さに応じて低下する。
(2) PS長さが80 mm以上注2の場合、管頂部温度は長さによらず、管内面全周・全長にわたってPSが付着(以下、全面均一付着)した条件とほぼ同じ温度となる。
2. PS付着管の温度評価手法の提案
 元のPS付着形状と同じ解析結果(管温度)となるようにPS形状を簡略化する手法を考案した。さらにPS長さが80 mm以上の場合は解析を行わずに、熱流束や流体温度などの伝熱要素およびスケール厚さから簡便に温度評価が可能な図を作成した。
【今後の展開】
 管寸法や管材、スケール物性値の解析範囲を拡大し、本手法の適用範囲拡大を目指す。

概要 (英文)

In thermal power plant boilers, scale deposits on the inner surface of water-wall tubes during operation. As the scale thickness increases, the tube temperature rises, and creep burst occurs. To avoid such tube burst, periodic chemical cleaning of the inner surface of the tubes is required. However, the chemical cleaning is expensive and it is desirable to minimize its frequency . Conventionally, scale thickness and/or amount have been monitored to avoid creep rupture of boiler water-wall tubes. However, in oxygen treatment boilers, powdered scale deposits non-uniformly, and the control method has not yet been clarified. Powdered scale also has low thermal conductivity and causes tube rupture when it deposits significantly. In this study, we analyzed the temperature of powdered scale deposition tubes using the Finite Element Method (FEM). Our results show that within the analysis range, for localized powdered scale deposition, the temperature decreases as its length decreases when the length of scale deposition in the tube longitudinal direction of the tube is less than about 80 mm. For lengths of approximately 80 mm or longer, the temperature is almost the same as when the scale is uniformly deposited on the entire inner surface of the tube. Finally, we developed a diagram to estimate the temperature of a tube uniformly deposited with hard scale and powdered scale, which can be used to minimize the frequency of chemical cleaning.

報告書年度

2022

発行年月

2023/04

報告者

担当氏名所属

吉田 匡秀

エネルギートランスフォーメーション研究本部 プラントシステム研究部門

森永 雅彦

エネルギートランスフォーメーション研究本部 プラントシステム研究部門

キーワード

和文英文
ボイラ Boiler
化学洗浄 Chemical Cleaning
パウダースケール Powdered Scale
FEM Finite Element Method
酸素処理 Oxygen Treatment
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