報告書番号

C20010

タイトル（和文）

需要シミュレーションツールによる地域レベルの家庭用ガス・灯油消費量の算出

タイトル（英文）

Calculation of Area-Level Gas and Kerosene Consumption for Residential Houses Using Energy Demand Simulation Tool

概要 （図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております）

背　　景
CO2削減に向け、熱源転換やエリアの特性を考慮した熱源利用を行うためには、電力のみならず、都市ガス・灯油といった他の熱源も含めた地域全体のエネルギー需要を総合的に把握することが必要である。当所ではこれまで需要家の多様性や地域特性を考慮した地域の電力の需要シミュレーションツール1)を構築してきたが、電力以外のエネルギー需要の計算を行える機能を有していなかった。
目　　的
需要シミュレーションツール(住宅モデル)に電力に加えて都市ガス・LPガス・灯油の熱源別に、用途別(暖房・厨房・給湯)のエネルギー需要を計算する機能を追加すると共に、気候に多様性がある地域を対象に試算を行う。
主な成果
1.住宅モデルへの熱源別エネルギー消費量の算出機能の追加
既往のモデルを改良し、日本国内の任意の地域について、熱源・用途別のエネルギー需要を算出する機能を追加した(図1)。モデルの主な改良内容と特徴は以下である。
　● 利用熱源機器決定機能：統計データ等2)から熱源・用途別に地域・世帯属性別3)の利用率4)を算出し、熱源機器を決定する。気候と利用熱源の関係(図2)や住宅種別と利用率の関係(図3)等の、地域や世帯属性の特性を考慮した計算を行える。
　● 熱源別エネルギー消費量決定機能：各世帯の日時毎の用途別熱需要推定値から熱源別エネルギー消費量を決定する。熱需要自体は空調負荷計算や湯量・水温等を考慮して推定を行っている。
　● 計算結果簡易表示機能：地域別の属性や結果を地図上に表示することで理解・分析の支援を行える。
2. 熱源別エネルギー消費量の試算
開発したモデルを用いて群馬県内の全35市町村の住宅を対象に用途別・エネルギー源別のエネルギー消費量の試算を行った(図4:代表的な用途・熱源の計算結果)。地域合計のエネルギー消費量[GJ/地域]の多寡や密度[GJ/km2]を把握できるため、地域に応じた適切な省CO2施策の計画等に資することができる。また気温の変動に伴って冬期に特に灯油・電気の暖房用消費量が多くなる等の、月別の特性を把握することができる(図5:前橋市の計算結果)。

概要 （英文）

In order to consider the conversion of heat sources for CO2 reduction and the use of the right heat source for the right job, it is necessary to comprehensively understand the energy demand of the entire region, including not only electricity but also other heat sources such as city gas and kerosene. We have developed a simulation tool for regional electricity demand that takes into account the diversity of consumers and regional characteristics, but it does not have a function for calculating energy demand other than electricity.
In this report, we add a function to calculate energy demand by heat source such as city gas, LP gas, and kerosene in addition to electricity to the demand simulation tool (residential model), and show the results of calculations for Gunma Prefecture as an example.

報告者

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