電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)
報告書データベース 詳細情報
報告書番号
C20007
タイトル(和文)
エアコン暖房時の快適性向上のための人感センサ及びサーキュレータの利用に関する基礎検討
タイトル(英文)
A Basic Study on the Use of Human Sensor of Air Conditioner and Air Circulator for Comfort Improvement during Heating
概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)
背 景
エアコン暖房時の省エネ推進と温熱快適性の向上を両立するため、人のセンシングや学習・予測等のエアコンの制御機能の利用、またサーキュレータとの併用が期待されている。しかしこれらの効果について評価・試験方法を明らかにした事例は見当たらない。技術開発の促進や利用方法の高度化のためには、評価・試験方法が明確な、客観性のある事例の公開が必要となる。
目 的
客観性のある事例の作成のため、断熱性能の異なる試験用住宅群1)を用いて、エアコン暖房時の人感センサ機能の利用、並びにサーキュレータ併用による省エネ・温熱環境改善効果を確認する。
主な成果
1. エアコンの人感センサ機能利用時の省エネ・室内温熱環境改善効果の検証
当所の環境試験室内(図1)に設置された試験用住宅群を対象に、人感センサ機能を利用した制御の種別と人の位置を変えた暖房運転試験2)を行い、各住宅での温熱環境とエアコンの消費電力を計測した。どの住宅においても人感センサ機能を用いると室内の上下温度差が小さくなり、また室内平均温度はエアコンの設定温度に近づく傾向にあった(図2)。これはエアコンの温度制御点がエアコン本体の吸込空気温度から赤外線センサによる検知温度3)に変更されたためと考えられる。等級4住宅、HEAT20住宅では過剰な暖房運転が抑制されることで暖房負荷が減り、エアコンの消費電力が低下した(図3)。
2.サーキュレータ併用による室内温熱環境改善効果の検証
サーキュレータの設置位置及び風量、仕切り板の有無を変更した暖房運転試験4)を行った。位置及び風量、仕切り板の有無によらず、どの試験住宅においてもサーキュレータなしの場合と比べて上下温度差が小さくなった(図4)。断熱性能が低いために最も床上温度が低くなっていた等級2住宅では、サーキュレータなしの場合に床上直近の温度が15℃であったが、18℃まで上昇した5)(図5)。以上から、サーキュレータ設置による足元の温度上昇の有効性が明らかになった。
概要 (英文)
To promote energy saving and CO2 reduction in houses, efficient use of air conditioners is required to achieve both energy saving and comfort improvement. In this report, the effects of energy saving and improvement of thermal environment is described by using the human sensor function during air conditioner heating and by using a circulator together, using a group of test houses with different insulation level.
The main results are as follows: 1) The effects of energy conservation and improvement of indoor thermal environment by using the motion sensor function of air conditioners was verified. In all the houses, the difference in indoor temperature between the upper and lower levels became smaller when the motion sensor function was used compared to when the motion sensor function was turned off, and the average indoor temperature tended to be closer to the set temperature of the air conditioner. 2)The effect of the combined use of a circulator on the improvement of the indoor thermal environment was verified. The temperature difference between the upper and lower parts of the room became smaller than that without the circulator in all test houses.
報告書年度
2020
発行年月
2021/03
報告者
担当 | 氏名 | 所属 |
---|---|---|
主 |
上野 剛 |
エネルギーイノベーション創発センター カスタマーサービスユニット |
共 |
安田 昇平 |
エネルギーイノベーション創発センター カスタマーサービスユニット |
共 |
岩松 俊哉 |
エネルギーイノベーション創発センター カスタマーサービスユニット |
共 |
宮永 俊之 |
エネルギーイノベーション創発センター カスタマーサービスユニット |
キーワード
和文 | 英文 |
---|---|
家庭用エアコン | RoomAir Conditioner |
住宅 | Residential Building |
性能評価 | Performance Evaluation |
室内温熱環境 | Indoor Thermal Environment |
サーキュレータ | Air Circulator |