電力中央研究所

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電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)

報告書データベース 詳細情報


報告書番号

382032

タイトル(和文)

黒部川中流域地熱帯の地質

タイトル(英文)

GEOLOGY OF THE KUROBE GEOTHERMAL AREA

概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)

黒部川中流域には地熱帯が存在することは電源開発計画の調査・工事により早くから知られていた。この報告は地熱調査計画の一環として,地熱帯の地質構造および地熱源のタイプを明らかにする目的で実施した調査結果を述べたものである。黒部川中流域は花こう岩類が主要構成岩類である。これらは岩相からG1~G5に分類される。地熱帯はG2とG3の境界近傍のG2側に位置している。境界は深成岩的に接触しているので温泉,熱水の通路とはなり難い。K-Ar法による岩石放射年代測定結果によると,現在の地熱帯付近で最も新しい0.8MAが得られた。しかし,地熱帯よりはなれると岩石の年代は古くなる。このことより,同地熱帯は花こう岩の冷却が最も遅い部分に位置し,地熱源は花こう岩の残熱によるものと考えられる。地熱源のタイプが高温岩体の可能性が高いことが判明したので今後の地熱の調査,開発を進める有力な資料となると考えられる。

概要 (英文)

THE GEOLOGIC FRAMEWORK FOR THE KUROBE GEOTHERMAL AREA(KGA) IS CHARACTERIZED BY GRANITES UNDERLAIN THE AREA.FIVE TYPES OF ROCK ARE DISTINGUISHED(G1,G2,G3,G4,G5). THE KGA IS SITUATED IN THE EASTERN FRINGE OF G2 WHICH IS BORDERED ON THE EAST BY G3.TIGHT CONTACT BETWEEN G2 AND G3 SUGGESTS THAT THE BOUNDARY IS CAUSED BY MAGMATIZATION. HYDROTHEMAL ALTERATIONS OCCUR SPORADICALLY IN BOTH G2 AND G3, BUT G2 IN KGA HAS UNDERGONE SLIGHTLY HYDROTHEMAL ALTERATION. K-AR DATING INDICATES THAT G2 IN THE KGA IS THE YOUNGEST ABOUT 0.8 MA IN AGE SURROUNDED BY OLDER G2. THIS HAS BEEN INTERPREATED AS INDICATING THE PRESENCE OFA STILL RESIDUAL HEAT OF G2 INTRUSION MASS.

報告書年度

1982

発行年月

1983/01/01

報告者

担当氏名所属

緒方 正虔

土木技術研究所地質部

宮腰 勝義

土木技術研究所地質部地質第2研究室

志田原 巧

土木研究所立地部地盤地質研究室

田中 和広

土木技術研究所地質部地盤地質研究室

キーワード

和文英文
地熱調査 GEOTHERMAL EXPLORATION
岩石年代測定 RADIOMETRIC DATING
高温岩体 HOT DRY ROCK
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